リバースモーゲージと抵当権について
持ち家などの資産はあっても現金収入が少ない高齢者などを対象に、居住中の持ち家を担保に生活費や福祉サービス費にあてるために使われるのがリバースモーゲージです。
一般に持ちの土地の評価で融資額が決められます。
担保として物件に根抵当権が設定されます。
最近は、メガバンクをはじめとして各種の金融機関や自治体が取り扱うようになってきました。
制度としては、高齢者に、必要な資金が自宅に住みながら借りられ、しかも契約満了まで支払いが利子だけということも可能になっています。
抵当権は、住宅ローンなど特定の債権を担保として不動産上に設定されます。
したがって、特定の債権が消滅すると、それを担保としていた権利も消滅します。
これに対して、根抵当権は会社での借入金など、継続的な取引から生じる不特定多数の債権について一括して担保する抵当権のことです。
抵当権のように、設定の時に特定の被担保債権が存在していることも必要ありませんし、個々の債権が弁済されて消滅しても、将来発生する債権に対して保全するため担保は存続します。
なぜ金融機関は、根抵当権の設定を求めるのでしょうか。
ひとつには、契約期間内に極度額の限度内で借入額の金額が増減しても対応することができます。
その都度設定にかかる費用をかからなくすることでコストが少なくなります。
金融機関にとっては、契約満了時の担保物件の売却も前提としているので保全の面で都合がいいという理由があります。
根抵当権は、利息・延滞利息も含めての枠なので実際に借り入れるのは極度額より低い金額です。土地・建物で1億円の不動産価値があるとします。
1番抵当が、4千万円であれば他の銀行はまだ6千万円貸してくれます。
根抵当権で1億に設定してあると他の金融機関はその物件に対して担保付きでお金を貸してくれることはまずありません。
また極度額の設定にすることで、同一金融機関に他の無担保債権回収にあたり、物件処分時にこの債権も含めて処理することができます。
その意味で極度額をいくらにするかは重要な問題であるとよく理解してリバースモーゲージが使われることが必要です。