リバースモーゲージについて調べてみた

老後の生活費に?自宅を担保にお金を借りる?返済方法が一般的な借金とは違うリバースモーゲージについて調査してみました。

リバースモーゲージのリスクについて

リバースモーゲージは持ち家を担保にして資金を借りることで、基本的には高齢者で勤労による収入のない人が、年金を補う意味で活用することのできる方法です。
自分の持ち家を担保にして月々の生活資金を借り、亡くなった後にはその持ち家を売却して借金を返済することになります。
子孫のことを考えにいれなければ、人間、亡くなった後まで不動産は不要ですから、かなり合理的な方法ということができるのですが、もちろんリスクもあり、十分にリスクを考えた上で利用する必要があるでしょう。

リバースモーゲージのリスクの一つは、不動産の価値評価にあります。
これはリスクと呼ぶのは少しおかしいかもしれませんが、自分の思っているほどの担保価値がないかもしれないという意味では気を付けておくべきことの一つではあります。
一般的に、リバースモーゲージで評価されるのはほぼ土地の価値のみであって、建物の価値はほぼ計算されないと思っておきましょう。
これは、もともと日本では建物は経年劣化が大きく、あまり価値がないと思われているのに加えて、現時点で不動産を売却するわけではなくあくまで売却するのは亡くなった後であることも関係しています。
10年や20年、場合によってはもっと後になるかもしれないわけで、その際の建物価値などほとんどなくなっていると考えられるわけです。

次のリスクは、自分が思った以上に長生きをするかもしれないことです。
これもリスクと呼ぶには違和感を禁じえませんが、十分なお金を借りられなくなるかもしれないという点では困ったことに違いはありません。
公的年金とは異なって、終身の給付が保証されているわけでは決してありません。
貸してくれる上限は担保価値までなのです。

また、毎月お金を借りていくわけですから、その残高はもちろん積みあがっていきます。
そして、これには当然金利がかかってくるのです。
思った以上に金利が上がると、それだけ残高が担保価値に到達するのが早くなるリスクもあります。

リバースモーゲージでよくあるトラブル

リバースモーゲージはまだまだ日本では一般的でない仕組みであること、金銭の額が一千万円単位と高額になることが多いことから、安易に考えていると失敗したり、トラブルを起こしたりすることが考えられます。
考えられるトラブルとしては、相続対象となる子供との間のトラブルでしょう。
極めて現実的な、具体的な例を挙げるかもしれませんが、例えば親が老齢になり、子供のうちの誰かが介護など面倒を見なければならないとしましょう。
確かに今では公的な介護保険もありますが、それでも子供に期待される部分はかなり大きいでしょう。
こういう場合、親の面倒を見る子供は明示的にせよ暗示的にせよ、親の遺産のそれなりの部分を相続できると思って介護することが多いでしょう。
こういうときに、もし親がその子供に特に断りもなしにリバースモーゲージを活用していたとなるとどういうことになるでしょうか。
答えは火を見るよりも明らかで、いずれは自分のものになるだろうと期待していた親の自宅は、親の死後は借金の返済に充てられてしまうことになります。
遺産相続を期待して、自分の生活あるいは仕事さえをも場合によっては犠牲にして献身的に介護していた子供にとっては期待はずれどころの騒ぎではなく、それこそ自分たちの今後の生活が傾いていくかもしれません。
あるいは、たとえ子供にリバースモーゲージのことを言っていたとしても、介護をしてくれるその子供だけにだったとしたらどうなるでしょうか。
この場合、他の子供たちは親の相続遺産がほとんど皆無ということになるかもしれません。
もちろんそれは介護をしていた子供も同じかもしれませんが、例えば親の存命中にリバースモーゲージから得られるお金を親のためだけでなく自分のためにも使っていたのではないかなどと疑われることは間違いないでしょう。
このように、親と子供の間で、親の死後にも相続を巡ってトラブルになる可能性を十分に孕んでいるのがリバースモーゲージの裏の側面でもあるのです。

リバースモーゲージの課題

リバースモーゲージの課題ですが、やはり普及率、認知度がまだまだ低いことが挙げられるでしょう。
多くの日本人の感性にあっていないということがもしかすると最大の課題かもしれません。
せっかく手にした自宅を最終的には手放さざるを得なくなるかもしれない、子供や孫のために残しておきたいのに残せないというようなことは、やはりリバースモーゲージを活用するためにはかなり大きな心理面での障害になっているかもしれません。
まだ、自分たちが取得した一戸建てなどならともかく、自分たちの親、祖父母の代から住んでいるとなると、自分の世代で手放すわけにはいかないという思いも強く働くかもしれません。
もう一つ、これも心理面でのことですが、死ぬまで安心できるかというとそうでもないということが障害になっているかもしれません。
リバースモーゲージでは自宅を担保にしてお金を借りていき、毎月の生活費の補填とするわけですが、決して死ぬまでの間ずっとお金を借り続けられることが保証されているわけでも何でもありません。
担保価値の一定割合に到達すればそれ以上は借りられなくなってしまいますし、それとは別に契約期間というものがあり、満期を迎えることでもそれ以上は借りられなくなってしまい、それどころかその時点で一括返済を求められることになるのです。
年金であれば、金額は確かに少ないかもしれませんが死ぬまでの間ずっともらい続けることができることが保証されています。
これは少なからぬ安心感につながるのですが、リバースモーゲージは自宅というこれ以上ない安心感を担保に入れながら、それに見合うだけの安心感を得ることができるのかどうかというのが大きな課題であることは間違いないでしょう。
やはり日本は持ち家信仰が強いです。
自宅を担保に入れてまで生活費をもらっても安心して生きていけないという考えも根強いでしょうが、一方で家意識や親子の関係なども昔に比べれば変化してきていますから、今後は広がる余地も大きいかもしれません。

リバースモーゲージの注意点

リバースモーゲージは決して打出の小槌ではありません。
また、公的な年金のように自分が生きている限りいつまでもお金がもらえるものでもありません。
うっかりすると、せっかくの不動産を手放さざるを得なくなったり、高齢になったときに十分なお金が無くなったりすることも十分にありえます。
注意点を挙げておきましょう。
最大の注意点は、やはりリバースモーゲージを借りる前に十分に検討し、じっくりといろいろなケース、それこそ思いつく限りのケースを想定してシミュレーションをしておくことでしょう。
銀行員などの勧められるがまま、言われるがままに契約手続きを進めてしまうというのが最もいけません。
銀行にとってみれば、担保がはっきりしているのですから、どう転ぼうが自分たちが損をすることだけはありえない仕組みになっているのです。
そういう人たちの言うことを鵜呑みにしてはいけません。
自分の不動産の価値がいくらになるのかを見積もっておくことが大事です。
そして、リバースモーゲージでは、担保価値の100%を借りるようなことはまずできませんが、仮に8割まで借りれるとしても、さらにその8掛けくらいに考えておいたほうがリスクコントロールという点では望ましいです。
将来のことはなかなか予想などできないというのが注意点です。
何が起こっても何とか対処できるように余裕を持たせておくことが大事です。
その他の注意点としては、思った以上に自分が長生きするかもしれないと考えておく必要があります。
もちろん考えるといっても程度物ですが、少なくとも平均余命までなどという考えでは甘すぎまず。
平均余命というのはその時点で0歳の人が生きられる平均年齢なのです。
既に60歳や65歳になっている人は、過去のリスクを全て生き延びてきてその年齢になっているのですから、その時点の平均余命よりはもっと長生きすることが想定されるのです。
さらに、夫婦の場合、一人だけが亡くなり一人残される可能性も考えておく必要があります。

リバースモーゲージの利用者数は?

リバースモーゲージの利用者数ですが、日本ではまだまだ少ないもので、その伸びもわずかなものに留まっています。
これにはいくつかの理由があるでしょうが、やはりリスクが大きいと思われることが影響しているでしょう。
どれもリバースモーゲージの基本である自宅を担保に入れて借金をすることに関係しています。

一つ目は結局のところいつまでもお金を借り続けられるわけではないことです。
担保価値のどの程度の割合まで借りられるかは銀行によっても異なりますが、10割を借りられるということはありません。
だいたいは7割程度、高くても8割程度までです。
そこに到達してしまえばもうそれ以上借りることはできません。
これは、自分が想定外に長生きをした場合、晩年にはもうお金を借りられなくなってしまうことを意味します。
そして、それだけならばまだしも、まだ生きている間に自宅を手放さないといけなくなってしまうかもしれないのです。
この点はたとえ借りることのできる上限に到達しても自分が亡くなるまでは自宅に住み続けることのできる商品もあったりしますが、やはりリスクではあるでしょう。

このように長生きするリスクだけではありません。
自宅を担保にお金を借りているのですから、担保価値が思った以上に下落する可能性もあります。
また、思った以上に金利が上昇する可能性もあります。
これらはいずれも思ったほどお金を借りられなくなることにつながります。
こういった点も利用者数が伸び悩む原因でしょう。

もちろん、感情面、心理面の影響も大きいでしょう。
やはり家は代々受け継いでいくものという考え、子供にできるだけ資産を残してやりたいという考えがリバースモーゲージの利用者数に影響していることもまた間違いないでしょう。
確かにリバースモーゲージは一言でいうと借金なのです。
若いうち、働き盛りならばまだしも、高齢になってから、しかも相当に大きな金額の借金を抱えたくないという心理も大きいでしょう。

リバースモーゲージのデメリットについて

リバースモーゲージのデメリットにはいくつかあります。
銀行などはメリット、例えば自宅にそのまま住み続けられることなどをかなり強く強調するでしょうが、デメリットについてもしっかりと考えておきましょう。

まず一番は、終身で借り続けることができるわけでは決してないということです。
あくまで自宅を担保にしてお金を借りることができるというだけであって、年金ではありません。
借りたお金の元本と金利を合わせた金額が自宅の担保価値に到達してしまえばその後は借りることはできなくなってしまうのです。
この点をかなり誤解している人がいますので注意しておかないといけません。

仮に金利を無視して計算しても、担保価値を毎月借りる金額で割った値が借りることのできる月数の上限ということになります。
実際には金利がありますから、その月数まで借りられることはありません。
自分の将来を考えておかなければなりませんが、将来のことを誰も完璧に予測などできませんから、リバースモーゲージで対処できる範囲には限界があることになるわけです。

また、では毎月の借りる金額をごく少なめに抑えておき、単純な割り算計算ではまず自分が生きていられると思われる間じゅうずっと借り続けられることにすれば解決するのではないかと思われるかもしれませんが、これも当てはまりません。
というのも、契約の満期が設定されているからで、一例を挙げれば契約から20年たてばその時点の借り入れ残高を一括返済しなければならないと決められていたりします。
これが次のデメリットです。
満期時点では借り入れ残高もかなりの金額に上っているでしょうから、たとえまだ自宅の担保価値には達していないとしても、残高を一括返済できるような現金を用意するには結局自宅を売却しなければならないということも十分にありえるでしょう。

このようなリバースモーゲージのデメリットを考えれば、まだ元気な今のうちに自宅を売却することも視野に入れたほうがよいかもしれないのです。

リバースモーゲージのメリットについて

若いころに家を購入した人の中には、老後を迎えた段階で保有する資産の大部分が不動産という人も少なくないでしょう。
その結果、老後の生活を送るための資金に不安がある人も珍しくないかもしれません。
もちろん、年金によって安定した収入があるのなら問題はないかもしれませんが、現在の年金制度を考えると、収入面に不安しかない人も多いでしょうし、現状で既に年金による収入では資金繰りに苦しい人も少なくないでしょう。
そういった人にとって心強い仕組みがリバースモーゲージです。
リバースモーゲージは一種の借金で、保有する不動産に抵当権をつけることで銀行等からまとまった資金を借り受ける仕組みを言います。
中には、リバースモーゲージについて借金であると知ると怖い仕組みであると思ってしまう人も一定数いるでしょう。
しかし、その仕組みをきちんと理解すれば安心して利用できるはずです。

リバースモーゲージの一番のメリットは、借金の返済について過度に心配する必要がありません。
なぜなら、借金の返済はその不動産を利用している人が亡くなった後に不動産を売却することで返済するためです。
つまり、生きている間は抵当権をつけている家に暮らして、亡くなった段階で借金を一括して返済するのです。
つまり、生きている間は、借金の返済をする必要がないため、借りたお金を安心して老後の生活資金に充てることができるのです。
もちろん、借金の返済は死後であるため、銀行等から借りられる金額は、不動産の時価の満額ではありません。
しかし、老後の生活に不足している金額を借りておくという理由であれば、1000万円から2000万円程度借りられるだけでも十分、老後の資金繰りに余裕が出ます。
そのため、老後に向けて用意をしておく貯金の額は決して多くなく、若いうちから老後の心配をする必要がありません。
つまり、若いうちは趣味等にお金を十分にかけることができるため、有意義な人生を送ることができるでしょう。

リバースモーゲージを知るためにおすすめの本

リバースモーゲージとは、住宅を担保にしてお金を借りるという、新しいタイプの年金制度であると言えます。
「逆担保融資」と呼ばれていることもあります。
リバースモーゲージの1つのデメリットとして、まだまだサービスを提供している銀行が少ないということがあげられます。
まだ新しい制度ですので、さまざまな問題点も抱えています。
例えば、不動産の価値が大きく落ちてしまって、途中で返済を求められてしまう可能性があるということです。
また、長生きしすぎてしまった場合には、融資を打ち切られてしまう可能性もあります。
長生きすることは良いことですが、それが逆に不安につながってしまうというのは、辛いかもしれません。

しかし、リバースモーゲージは利用の仕方によっては大きなメリットがあります。
この制度を十分に理解しているかどうかによって、老後の生活が大きく変わってしまう可能性もあります。
リバースモーゲージを勉強しようという人は、書店で本を買って読もうとするかもしれません。
しかし、まずはインターネットのサイトで基本的なことを学んでみることがおすすめです。
インターネットには最新の情報が出回っていることがメリットです。
リバースモーゲージは新しい制度なので、インターネットで最新の情報を確認することは重要です。

本を読んで勉強することのメリットは、知識を体系的に学ぶことができるという点にあります。
インターネットのサイトでは知識が網羅されているものの、何が重要なのか、どこがポイントなのかわからないという人も多いでしょう。
また、個人が運営しているサイトでは、アフィリエイトが目的であることも多く、信頼性に欠けると感じることもあります。
リバースモーゲージを本で学ぶなら、自分が読みやすい本、興味が持てそうな内容の本を選ぶのがよいでしょう。
最新の情報はインターネットで入手できるので、本を買って読むなら、自分が面白いとか、理解しやすいと感じられるということのほうが重要です。

 

リバースモーゲージの条件について

リバースモーゲージの条件ですが、単に使えるかどうかというだけのことであればともかく、家族が円満に使えるかということまで含めるのであればいろいろな条件を考えておかないといけません。
単にリバースモーゲージが使えるかどうかというだけのことであれば、話は比較的簡単です。
自宅持ち家があり、自分の年齢が規定範囲内に入ってさえいればそれでよいでしょう。
ただしこの場合でも自分だけでなく同居する人、普通は配偶者でしょうが、配偶者は連帯保証人になりますから、その了解は必要です。
しかし、リバースモーゲージの場合、何しろ自宅を担保に入れることになるわけですから、自分の死後のことまで考えると、たとえ今は別居していたとしても子供を無視するわけにはなかなかいかないでしょう。
両親の死後には自宅は相続できると思っている子供からすると、自宅が担保に入れられていて売却せざるを得ないとなるとこれは大きな問題に直面することになります。
リバースモーゲージは年金でもなければ資産運用でもない、れっきとした借金であることを忘れてはいけません。
自分の持ち家である以上は、家族が納得する限りはその資産を自分たちのために使うことが悪いことであるはずはありませんが、例えばリバースモーゲージとは全く無関係に、ただ単に自分たちが場合によっては一千万円を越えるような借金を抱えていたとすれば周囲はどう思うかということです。
もちろんとくに収入源も年金以外にはない高齢者がそんな高額の借金を作るようなことは普通はできないわけですが、これがリバースモーゲージの場合はできてしまうのです。
ですから、あまり普通には起こらないようなことを自分たちはしようとしているということをまず念頭におく必要があります。
それだけの借金を抱えるようなことは、例えば30代や40代の人間であればどうなるでしょうか。
別にリバースモーゲージが悪いとは決して言いませんが、周囲の理解を得ることは最低条件でしょう。

リバースモーゲージ とは

リバースモーゲージとは、持ち家を担保に銀行などの金融機関から借り入れをすることで、借りた人が亡くなると家は金融機関が所有することになります。
モーゲージは担保、リバースとは逆という意味です。
一般的なローンと逆なのは、ローンは定期的に返済するため返済額が減りますが、リバースモーゲージは時間が経てば経つほど返済額が減るという点です。
高齢者は退職して安定した収入がなくなってしまうため、ローンの審査に通ることができません。
リバースモーゲージを利用すれば、持ち家さえあればお金を借りることができ、返済は自分が死亡してからで良いため生きているうちは債務を抱えているというストレスがありません。
リバースモーゲージで借りたお金で有料老人ホームに入るなど、老後の生活を充実させることができます。
生きているうちに返済できなかった住宅ローンは子供が相続することになりますが、リバースモーゲージでは持ち家を子供に相続しない代わりに子供に債務を負わせることもありません。
若い世代も自分たちが高齢者になった時に、年金がきちんともらえるのかや退職金で老後を送れるかなど不安に感じていることが多いため、老後の資金を集める方法としてリバースモーゲージに関心を向けています。
お金は一時金として手に入ったり、年金のように毎月一定額が振り込まれたりします。
この制度で課題とされるのが、日本人は長生きする人が多いことです。
長寿であること自体は悪いことではありませんが、長生きすればするほど多くのお金を貸すことになり、死亡後にお金を回収できない恐れがあります。
建物はそれほど価値がないため、担保の価値を判断する時は土地を評価しています。
申し込んだ時の年齢や担保の価値などを総合的に判断して、貸すことのできる金額や年月を決めています。
予定よりも長生きすると、それ以降は融資しないという方針なので、高齢者の老後を守る制度とは言えないデメリットもあります。